Microsoft Teamsは、ビジネスシーンで欠かせないコミュニケーションツールとなっています。チャットやチャネルを通じて、日々多くのファイルが共有されていますが、作業中に誤ってファイルを削除してしまった経験はないでしょうか。「重要な資料が消えてしまった」「チームで共有していたファイルがどこにいったかわからない」といった場合でも、適切な方法を知っていれば復元できる可能性があります。
本記事では、スマホ(iPhoneやAndroid)でTeamsの削除したファイルを復元する方法を詳しく解説します。チャットで送信したファイルからチーム内で共有したファイルまで、さまざまなケースに対応した復元手順をご紹介します。また、Teamsファイルのごみ箱の場所や、削除したチーム・チャネルの復元方法についても触れていきます。
Part1.Teamsのファイルはどこに保存される?
Teamsで削除したファイルを復元する前に、まずファイルがどこに保存されているかを理解しておくことが重要です。
1.チャットで送ったファイル
個人チャットやグループチャットで共有されたファイルは、OneDriveに自動的に保存されます。送信者のOneDrive内に「Microsoft Teams チャット ファイル」というフォルダが作成され、そこにファイルが格納されます。チャット相手はこのファイルへのリンクを共有されている形になります。
2.チーム内で共有したファイル
チームのチャネル内で共有されたファイルは、SharePointのドキュメントライブラリに保存されます。各チームには専用のSharePointサイトが紐付けられており、チャネルごとにフォルダが作成されています。標準チャネルの「一般」チャネルのファイルは「ドキュメント」フォルダ直下に、その他のチャネルのファイルはチャネル名のフォルダ内に保存されます。
3.スマホアプリ内にローカル保存されない(キャッシュのみ)
重要な点として、TeamsのiPhoneアプリやAndroidアプリでは、ファイルは端末内に恒久的に保存されません。アプリ内で閲覧した際に一時的なキャッシュとして保存されるだけで、実体はOneDriveまたはSharePointにあります。そのため、ファイルを復元する際は、OneDriveやSharePointのごみ箱にアクセスする必要があります。
Part2.Teamsのファイルのごみ箱はどこにある?
Teamsで削除したファイルは、保存場所に応じて異なるごみ箱に移動します。
チャットで共有したファイルを削除した場合、OneDriveのごみ箱に移動します。一方、チーム内のチャネルで共有したファイルを削除した場合は、SharePointサイトのごみ箱に移動します。
SharePointのごみ箱にアクセスするには、Teamsアプリでチームのチャネルの「ファイル」タブを開き、右上の「...」メニューから「SharePointで開く」を選択します。ブラウザでSharePointサイトが開いたら、左側のナビゲーションメニューから「ごみ箱」を選択できます。
ファイルがごみ箱に保存される期間は、デフォルトで93日間です。この期間内であれば復元が可能ですが、期間を過ぎると完全に削除されてしまうため、できるだけ早く復元作業を行うことをおすすめします。
Part3.スマホでTeamsの削除ファイルを確認・復元する方法【iPhone・Android】
スマホでTeamsの削除したファイルを復元する方法を、具体的な手順とともにご紹介します。
方法1.チャットで共有したファイルをOneDriveのごみ箱から復元する
手順:
Webブラウザ(SafariやChromeなど)で「https://www.microsoft365.com」にアクセスします
Microsoft 365アカウントでサインインします
OneDriveアプリを開きます
左側のメニューから「ごみ箱」を選択します
復元したいファイルを見つけて選択します
画面上部の「復元」ボタンをタップします
ファイルが元の場所に復元されます
OneDriveのごみ箱から復元したファイルは、元の保存場所である「Microsoft Teams チャット ファイル」フォルダに戻ります。ただし、チャットのタイムラインから削除したファイルの場合、復元してもチャット画面には再表示されないため、必要に応じて再度共有する必要があります。
方法2.チーム内で共有したファイルをSharePointのごみ箱から復元する
手順:
Teamsアプリを開き、ファイルを復元したいチームのチャネルに移動します
「ファイル」タブをタップします
右上の「...」メニューから「SharePointで開く」を選択します
ブラウザでSharePointサイトが開きます
左側のメニューから「ごみ箱」をタップします
復元したいファイルにチェックを入れます
上部の「復元」ボタンをタップします
この方法で復元したファイルは、元のチャネルのフォルダに戻り、Teamsのチャネル内の「ファイル」タブにも再表示されます。複数のファイルを一度に選択して復元することも可能です。
方法3.管理者に「ごみ箱」からの復元を依頼する
SharePointサイトのごみ箱から誤ってファイルを削除してしまった場合や、93日間の保存期間を過ぎてしまった場合でも、管理者であればサイトコレクションのごみ箱から復元できる可能性があります。
組織の管理者に連絡し、削除したファイルの名前、削除したおおよその日時、ファイルがあったチームとチャネル名を伝えて復元を依頼しましょう。サイトコレクションのごみ箱には、第一段階のごみ箱から削除されたアイテムが追加で93日間保存されています。
方法4.バージョン履歴から過去のTeamsファイルを復元する
ファイルが上書きされてしまった場合や、以前のバージョンに戻したい場合は、SharePointのバージョン履歴機能を利用できます。
手順:
Teamsアプリでチャネルの「ファイル」タブを開きます
復元したいファイルの「...」メニューをタップします
「SharePointで開く」を選択します
SharePointサイトでファイルの「...」メニューから「バージョン履歴」を選択します
復元したいバージョンの日時を見つけます
そのバージョンの「...」メニューから「復元」を選択します
この方法により、過去の特定の時点のファイル内容に戻すことができます。バージョン履歴は、ファイルが保存されるたびに自動的に記録されます。
方法5.データ復元ソフトでiPhone内部データをスキャンして復元する
OneDriveやSharePointのごみ箱からも復元できない場合、最後の手段として、データ復元ソフトUltData iPhoneデータ復元を使用する方法があります。この方法の最大のメリットは、クラウドストレージのごみ箱に依存せず、端末内に残っている可能性のあるデータを直接スキャンして復元できる点です。特に、Teamsファイルをダウンロードしていた場合や、キャッシュとして端末内に残っている場合に有効です。
UltData for iOSなどの専門的なデータ復元ソフトウェアを使用すれば、削除されたファイルを高い確率で復元できます。通常のごみ箱機能では復元できないケースでも、端末内のデータ領域をディープスキャンすることで、失われたファイルを見つけ出せる可能性があります。この方法は、他の復元方法が使えない緊急時の選択肢として非常に有用です。
- UltData for iOSをインストールして起動します。接続したいデバイスを選択します。
- デバイスを接続して、「写真」などをスキャンします。
- スキャン結果から、復元したい写真を選択します。復元を実行します。
Part4.Teams復元よくある質問
質問1.Teamsで消えたチームを復元するには?
チーム全体を削除してしまった場合、チームの所有者または組織の管理者であれば、30日以内であれば復元が可能です。
復元手順(管理者の場合):
Microsoft 365管理センター(https://admin.microsoft.com)にアクセスします
左側のメニューから「チーム」→「削除済みチームの表示」を選択します
復元したいチームを選択します
「復元」ボタンをクリックします
復元手順(チーム所有者の場合):
Outlook on the web(https://outlook.office.com)にアクセスします
左側のメニューから「グループ」→「削除済み」を選択します
復元したいチームを選択します
「復元」ボタンをクリックします
チームを復元すると、チャネル、ファイル、タブ、会話履歴などがすべて元の状態に戻ります。ただし、復元が完全に反映されるまでに最大24時間かかる場合があります。
質問2.チームスで削除したチャネルを復活するには?
チャネルを削除した場合、チームの所有者またはチャネルの所有者であれば、チーム内から復元できます。
復元手順:
Teamsアプリで、チャネルを削除したチームを開きます
チーム名の横にある「...」メニューをタップします
「チームを管理」を選択します
「チャネル」タブをタップします
「削除済み」セクションを展開します
復元したいチャネルの横にある「復元」ボタンをタップします
標準チャネルを復元すると、チャネル内のメッセージが復元されます。ファイルはSharePointに残っているため、引き続きアクセス可能です。プライベートチャネルの場合は、関連するSharePointサイトとすべてのファイルも同時に復元されます。
質問3.Teamsの削除したチャネルの復元できる期間は?
チャネルの復元期間は、削除から21日間です。Microsoft公式ドキュメントによると、この期間内であれば、上記の手順でチャネルを復元できます。
ただし、この21日間の期間内に、削除されたチャネルと同じ名前の新しいチャネルを作成することはできません。21日間を過ぎると、チャネルは完全に削除され、復元できなくなります。
一方、チーム全体の復元期間は30日間です。チームを削除すると、そのチーム内のすべてのチャネルも削除されますが、30日以内であればチームごと復元できます。
最後に
本記事では、iPhone・AndroidスマホでTeamsの削除したファイルを復元する方法について詳しく解説しました。重要なポイントとして、ファイルのごみ箱保存期間は93日間、チャネルの復元期間は21日間、チームの復元期間は30日間であることを覚えておきましょう。これらの期限を過ぎると、通常の方法では復元できなくなってしまいます。
もし、ごみ箱からも復元できない場合や、より確実にデータを復元したい場合は、UltData for iOSのような専門的なデータ復元ソフトウェアの使用を検討してください。