日本では古くから、新年の挨拶として年賀状を交換する文化が受け継がれてきました。年賀状は単なる形式的な挨拶にとどまらず、日頃の感謝を伝えたり、人とのつながりを維持したりする大切なコミュニケーション手段として親しまれています。
近年、デジタル化やライフスタイルの変化により年賀状の送付枚数は減少していますが、日本郵便の調査では「新年の挨拶」や「感謝を伝える手段」として、その価値はいまだ高く評価されています。こうした流れを受け、日本郵便は2025年12月15日にGoogleと連携し、生成AIを活用した年賀状作成ツール「#Geminiで年賀状」を公開しました。この記事では、Geminiを活用した年賀状の作成方法について詳しく紹介します。
Part1. 「#Geminiで年賀状」について
「#Geminiで年賀状」は、Googleの生成AI「Gemini」を活用した、無料で使える年賀状作成ツールです。本サービスでは、Geminiの画像生成モデル「Nano Banana Pro」を採用しており、誰でも手軽にオリジナル年賀状を作成できる点が大きな特徴です。
使い方は非常にシンプルで、ユーザーは手持ちの写真をアップロードするだけ。用意されたテンプレートに沿って、写真を組み合わせたオリジナル画像をAIが自動生成します。複数の写真を合成できるため、家族写真やペット、風景などを自由に組み合わせた、パーソナライズ性の高い年賀状を作成できる点も魅力です。
本サービスの提供期間は、2025年12月15日11:00から2026年1月15日まで。特設サイトからスマートフォン・パソコンのどちらでも利用できます。生成した年賀状画像は、デジタルデータとしてダウンロードできるほか、X(旧Twitter)やInstagram、LINEなどのSNSで直接シェアすることも可能です。
さらに、実際に年賀状として郵送したい場合は、日本郵便の「郵便局のプリントサービス」と連携して印刷注文ができます。印刷タイプは「はがき直接印刷(余白あり)」と「ポストカードタイプ(ふちなし全面プリント)」の2種類が用意されており、料金は10枚あたり4,220円〜(印刷タイプ)、4,630円〜(ポストカードタイプ)となっています(※別途はがき代が必要)。受付期間は印刷タイプが2026年1月9日18:00まで、ポストカードタイプは2025年12月27日23:59まで(宛名印刷ありの場合は12月25日23:59まで)です。
Part2. 「#Geminiで年賀状」のデザインテンプレート
「#Geminiで年賀状」では、全9種類のデザインテンプレートが用意されており、利用シーンや好みに合わせて自由に選択できます。伝統的な和風デザインから、若年層向けのポップなスタイルまで幅広く網羅している点が特徴です。
主なテンプレートは以下の通りです。
| テンプレート名 | 説明 | 適した用途 |
|---|---|---|
| お正月和装 | 伝統的な和服をモチーフにしたデザイン | フォーマルな新年挨拶 |
| 浮世絵 | 浮世絵を現代的にアレンジ | 芸術性の高い年賀状 |
| スタジオ | モノトーンで洗練されたスタイル | シンプル志向 |
| おせち | おせち料理をテーマにした賑やかなデザイン | 家族・親戚向け |
| 雪景色 | 冬の雪景色を背景に季節感を演出 | 季節感重視 |
| プリクラ | 懐かしいプリントシール風 | 若年層向け・カジュアル |
| 毛糸アート | 毛糸のような温かみのある質感 | 手作り感を出したい場合 |
| 4コマ漫画 | 写真を4コマ漫画風に変換 | ストーリー性のある挨拶 |
| ジョッキー | 2026年の干支「午」をモチーフ | 年号・干支重視 |
これらのテンプレートには、複数枚の写真をアップロードして自由に組み合わせることができ、さらにオリジナルのテキストメッセージ追加や縦横比の調整にも対応しています。画像の配置や加工は生成AIが自動で最適化するため、デザイン経験がなくても完成度の高い年賀状を作成できます。
例えば、家族写真を4コマ漫画風に変換したり、ペットの写真を干支の「午」と組み合わせたりするなど、従来の年賀状では難しかった創造的でパーソナライズされた表現も簡単に実現可能です。テンプレートの多様性とAIによる自動生成を組み合わせることで、形式にとらわれない“自分らしい年賀状作り”が楽しめます。
Part3. 「#Geminiで年賀状」での利用手順
「#Geminiで年賀状」は、操作がシンプルで、初めて生成AIを使う方でも直感的に年賀状を作成できます。基本的な利用手順は以下の通りです。
- サイトにアクセスしてテンプレートを選択
公式サイト(https://goo.gle/nengajyo)にアクセスし、9種類の中から好みの年賀状テンプレートを選びます。用途や送り先に合わせてデザインを選択するのがおすすめです。 - 写真をアップロード
スマホやパソコンに保存されている写真を、複数枚アップロードできます。AIの生成精度を高めるため、人物や被写体がはっきり写った明るい写真を使用すると、より自然な仕上がりになります。 - カスタマイズ設定
年賀状に入れたいオリジナルのテキストメッセージを入力し、縦横比(縦型・横型)を調整します。細かなレイアウトはAIが自動で最適化してくれるため、デザインの知識は不要です。 - 画像生成と仕上がり確認
設定が完了すると、AIが年賀状画像を自動生成します。混雑時にはエラーが発生する場合がありますが、その際は再試行することで生成できるケースが多く報告されています。 - データの出力・共有
完成した年賀状は、画像データとしてダウンロード可能です。また、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなどのSNSへ直接シェアすることもできます。 - 印刷注文(郵送する場合)
実際に年賀状として送付したい場合は、日本郵便の「郵便局のプリントサービス」専用ページから印刷を注文します。仕上がりタイプを選択し、名入れ情報を入力後、生成した画像をアップロードして注文完了です。発送までの納期は、注文時に表示されるガイドを事前に確認しておきましょう。
Part4. 「プリクラ風」年賀状をもっと可愛く仕上げる:PixPrettyの活用がおすすめ
「#Geminiで年賀状」の中でも特に人気が高いのが、懐かしさと楽しさを兼ね備えたプリクラ風テンプレートです。ただし、元写真の明るさや肌トーン、顔の写りによっては「もう少し盛りたい」「全体の雰囲気を統一したい」と感じることもあるでしょう。
そこでおすすめなのが、AIポートレート補正に特化した画像編集ツールTenorshare PixPrettyです。PixPrettyを使えば、年賀状用の写真を事前に調整し、プリクラ風デザインと相性の良い仕上がりに整えることができます。例えば、
- 顔の明るさや肌質を自然に補正
- 写真全体の色味を統一し、ポップで可愛い印象に調整
- 輪郭や表情を崩さず、プリクラらしい“ふんわり感”を演出
といった加工が簡単に行えます。加工後の画像をそのまま「#Geminiで年賀状」にアップロードすれば、AI生成時の完成度がさらに高まり、若年層向け・友人向けの年賀状として印象に残る一枚に仕上がります。
- PixPrettyをインストールして新規プロジェクトを作成
- 編集したいプリクラ風写真をアップロード
- 編集した写真を「#Geminiで年賀状」にアップロード
PixPrettyで編集完了した写真を「#Geminiで年賀状」にアップロードし、Part3で紹介した手順で年賀状を作成してダウンロード・共有します。
パソコンにPixPrettyの写真編集ソフトをダウンロードして起動し、「新規プロジェクト」をクリックして編集用のワークスペースを作成します。操作画面はシンプルで直感的に設計されており、初心者でも短時間でプロ並みの写真編集が行えます。
編集したいプリクラ風写真をドラッグ&ドロップでエディターに追加します。アップロードが完了すると、PixPrettyが自動で顔の輪郭を解析し、ポートレート写真に最適なスマートプリセットを適用してくれます。
まとめ
「#Geminiで年賀状」は、AIを活用して誰でも簡単にオリジナル年賀状を作成できる新しいサービスです。多彩なテンプレートや写真合成、デジタル共有から印刷まで対応し、現代の年賀状スタイルに自然にフィットします。
プリクラ風テンプレートを使う場合は、Tenorshare PixPrettyで写真を整えてから作成すると、より完成度の高い一枚に仕上がります。2026年の年賀状は、AIの力を取り入れて、手軽さと心のこもった表現を両立してみてはいかがでしょうか。