PDFファイルを扱っていると、「このページをすぐに開きたい」「目次のように整理したい」と感じる場面は少なくありません。そんな時に便利なのがPDFしおり機能です。

本記事では、PDFしおりとは何かという基本から、無料で使えるしおり作成無料ツール、そしてしおりを作成・編集する方法までを詳しく解説します。初心者の方でも迷わず操作できる内容になっており、業務効率や資料の見やすさ向上に役立ちます。

Part1. PDFしおりとは？その基本とメリットを解説

PDFしおりとは？

PDFしおりは、PDFを開いた時に画面の左側に表示される、階層型の構造を持ったナビゲーションリストです。いわば電子版の目次のような存在で、クリックすると該当ページへジャンプできるため、長文PDFでも目的の情報にすぐアクセスできます。

この機能は、紙の本にある目次との目的は似ているものの、画面上での閲覧に特化しており、PDFしおりは視覚的かつ操作的に優れたナビゲーション手段となります。

さらに、しおりは見出しの構造に応じて、第1階層・第2階層・第3階層といった階層表示が可能で、視覚的に文書構成を把握できる点も魅力です。たとえば、「第1章」「第1.1節」「第1.1.1項目」といった形式で整理できます。総じて、その機能は以下の点に集約されます:

• 画面で目的のページにワンクリックで移動
  PDFを読む際、スクロールして探す手間を省き、ワンクリックで移動できるため操作の負担が軽減されます。
• 階層表示で構造を見通せる
  大見出しから小見出しまで、階層的に表示できるため、文書全体の構造が一目瞭然です。特にページ数の多い報告書やマニュアルなどでは有効です。
• 多様なリンク先への対応
  しおりは同一PDF内の他ページだけでなく、別のPDFファイルやWebページへのリンクにも設定できます。たとえば、「詳しい解説はこちら」というようなリンクを別文書に飛ばせるなど、柔軟な活用が可能です。
• 視認性と編集性に優れる
  しおりは表示・非表示の切り替えが容易で、ツリーの折りたたみ・展開が可能な点も機能的です。PDF閲覧ソフト側での表示対応が標準化されつつあります。
• ISO規格にも対応した仕様
  しおりはISO 32000規格で定められたオプション機能であり、PDFリーダー側の挙動も標準的です。そのため、多くのPDFビューアでしおりの表示がサポートされており、互換性も高いのが特徴です。

Part2. PDFにしおりを作成する無料ソフト4選

PDFにしおりを作成するだけで、本格的な編集作業を行う予定がない場合は、高価なPDF編集ソフトをわざわざ購入する必要はありません。無料で使えるPDFツールの中にも、しおり機能を備えたものがあります。

ここでは、手軽に利用できる無料のしおり作成ソフト4選をご紹介します。

1. Tenorshare PDNobを使ってしおりを作成・編集する

Tenorshare PDNobは、WindowsおよびMacに対応した高機能なPDF編集ソフトです。しおり作成機能はもちろん、OCRや注釈、結合・分割機能も充実しており、ビジネスシーンでも十分に活用できます。

ここでは、Tenorshare PDNobを使ってPDFファイルにしおりを作成・編集する方法をご紹介します。

しおり作成の操作方法

• 公式サイからTenorshare PDNobをダウンロードしてインストールします。

  
  

• PDFファイルを開き、「しおり」アイコンをクリックします。

  

• しおりを追加したいページを表示させ、「新しいブックマーク」を選択。ページの内容が分かりやすいように、しおりの名前を入力します。

  

• 表示中のページに、しおりが作成されます。「+」アイコンをクリックしてしおりを追加できます。

  

しおりに階層構造（親子関係）を作成したい場合は、以下の手順で操作できます：

• 子しおりを作成したい親しおりを選択し、「その他」アイコン→「サブスクリプションを追加」をクリックします。

  

• 子しおりの名前を入力し、分かりやすく設定しましょう。

  

PDFのしおりを編集する方法

作成したしおりは、あとから名前を変更したり、折りたたんで整理したりすることができます。ここでは、しおりの編集方法をご紹介します。

しおりの名前を変更する

• 名前を変更したいしおりを選び、「名前変更」アイコンをクリックします。

  

• 新しいしおり名を入力します。

しおりを折りたたむ

• 「親しおり」アイコンを選択し、マウスの左クリックして、現在のしおり一覧を表示します。

  

• 再度左クリックすると、すべてのサブブックマークが折りたたまれます。

  

2. Adobe Acrobatでしおりを作成する

Adobe Acrobat Proは、業界標準のPDF編集ツールです。しおりの追加、編集、階層整理まで自由自在に行えるのが特徴です。

作成手順

1. まずAdobe Acrobatで編集できるPDFファイルを開きます。（ PDF が作成者によって編集制限されている場合、しおりの追加はできません。）
2. 画面右側にある「しおり」アイコンをクリックし、しおりパネルを表示させます。
3. 続いて、しおりのリンク先にしたいページを開き、表示位置やズーム倍率を必要に応じて調整します。
4. その後、PDF内で右クリックして、表示されるメニューから「選択ツール」を選択します。
5. 次に、しおりを設定したい対象を以下のいずれかの方法で選択します：
   • 画像にしおりを設定する場合は、画像をクリックするか、マウスでドラッグして囲みます。
   • 画像の一部に設定したい場合は、範囲をドラッグして長方形で囲みます。
   • テキストにしおりを設定するには、ドラッグして該当テキストを選択します。この選択したテキストが、新しいしおりのラベル（名前）として使用されます。
6. 選択が完了したら、「新規しおり」ボタンをクリックして、しおりを作成します。
7. 必要に応じて、作成したしおりの名前を入力、または編集してください。

3. pdf_asでしおりを作成する

pdf_asは、無料で使えるWindows向けPDFユーティリティです。PDFの結合・分割・回転・暗号化など、基本的な機能に加えて、結合時に自動でしおりを生成する機能も搭載されています。

しおり機能の使い方

複数のPDFファイルをpdf_asで結合する際、元ファイル名をしおりとして反映させることができ、編集の手間を減らすことが可能です。

4. PDF-XChange Editorでしおりを作成する

軽量ながら高機能なPDF編集ツールとして知られるPDF-XChange Editorは、無料でもしおりの追加・階層編集が可能です。特に階層構造のカスタマイズ性が高く、技術資料の整理に適しています。

作成手順

1. PDFを開き、左側の「ブックマーク」アイコンをクリック
2. しおりを追加したいページを開いて「＋」を押す
3. タイトルを入力し、必要に応じて階層をドラッグで調整
4. 見出しを自動抽出したい場合は「ページテキストから」を選択

まとめ

PDFしおりを活用することで、読みやすさ・操作性が大幅に向上し、資料としての信頼感も高まります。特にPDFしおり作成フリーソフトをうまく使えば、コストをかけずにプロフェッショナルな仕上がりの資料が完成します。

ビジネス文書、マニュアル、研究資料など、あらゆるPDF文書にしおりを活用することで、見る人のストレスを減らし、情報をよりスムーズに伝えることが可能です。

今後のPDF編集にぜひ、Tenorshare PDNobやPDF-XChange Editorなどのツールを取り入れてみてください。無料かつ高機能なソフトを活用することで、あなたのPDF管理はよりスマートに進化するでしょう。