PDFのパスワード設定方法10選まとめ|無料で簡単にスマホやPCでもできる

PDFファイルは、ビジネス書類や個人情報を含むファイルとして広く利用されています。しかし、誰でも簡単に開ける状態では情報漏洩のリスクがあります。

そこで、PDFにパスワードを設定することが、情報を保護するための基本的なセキュリティ対策として注目されています。本記事では、無料・有料の方法を問わず、PDFパスワード設定の全手順を初心者にも分かりやすく解説します。

Part1. PDFにパスワード設定が必要な理由とセキュリティの重要性

なぜPDFにパスワードを設定するのか

PDFファイルは、その汎用性の高さから多くの場面で利用されています。しかし、何の保護もされていないPDFファイルは、誰でも簡単に開いて内容を確認できてしまいます。これは特に機密性の高い文書において、深刻なセキュリティリスクとなります。

パスワード設定により、文書へのアクセスを制限することで、意図しない情報の流出を防ぐことができます。さらに、編集や印刷などの操作を制限することも可能で、文書の完全性を保つことにも繋がります。

セキュリティ面でのメリット

PDFファイルにパスワードを設定することで得られる主なメリットは以下の通りです:

情報漏洩の防止
パスワードが設定されたPDFファイルは、正しいパスワードを知っている人のみが閲覧できます。これにより、メール送信時の誤送信や、ファイル共有時の意図しない第三者への流出を防げます。

文書の完全性保護
編集制限パスワードを設定することで、文書の内容が勝手に変更されることを防げます。契約書や重要な報告書など、内容の改ざんが許されない文書には特に有効です。

アクセス制御の強化
特定の相手のみに文書を共有したい場合、パスワード設定により確実なアクセス制御が可能になります。これは企業の機密文書や個人のプライベートな書類において非常に重要です。

Part2. 【無料】PDFファイルにパスワード設定する6つの方法

ここからは、費用をかけずにPDFファイルにパスワードを設定できる具体的な方法をご紹介します。それぞれの方法には特徴があるため、あなたの使用環境や目的に応じて最適なものを選択してください。

方法①:Adobe Acrobat オンラインツールを活用したパスワード設定

Adobe Acrobat オンラインツールは、PDFの生みの親であるAdobeが提供する無料のWebベースツールです。ブラウザがあればどこからでも利用でき、高品質なPDF保護機能を提供します。

Adobe Acrobat オンラインツールの特徴:

  • インストール不要でブラウザ上で完結
  • Windows、Mac、スマートフォン対応
  • 高度な暗号化技術による安全な保護
  • ファイルは1時間後に自動削除される安全設計

設定手順

  • Adobe Acrobat オンラインの「PDFを保護」ページにアクセスします。
  • 「ファイルを選択」をクリックし、保護したいPDFファイルを選択します。 Adobe Acrobat オンラインでPDFパスワード設定
  • パスワード入力欄に希望するパスワードを入力して、確認用パスワード欄に同じパスワードを再入力します。 Adobe Acrobat オンラインでPDFパスワードを入力
  • 「パスワードを設定」ボタンをクリックします。
  • 処理完了後、「ダウンロード」ボタンから保護されたファイルを保存します。 Adobe Acrobatで設定したPDFをダウンロード

この方法は特に、外出先でも安全にパスワード設定を行いたい方におすすめです。

方法②:無料ソフトTenorshare PDNobでPDFにパスワードをかける

Tenorshare PDNobは、PDF編集から保護まで幅広い機能を提供する総合的なPDFソフトウェアです。無料版でも基本的なパスワード設定機能を利用できるため、コストを抑えながら確実な文書保護が可能です。

Tenorshare PDNobの特徴:

  • 直感的で使いやすいインターフェース
  • 高速処理による効率的な作業
  • 複数のセキュリティオプション
  • 日本語サポートによる安心感

設定手順

  • Tenorshare PDNob公式サイトからソフトウェアをダウンロード・インストールします。

  • ソフトウェアを起動し、「PDFを開く」から対象PDFを選択します。 保護したいPDFファイルを開く
  • メニューバーの「保護」タブをクリック、「暗号化」オプションを選択します。
  • 開くパスワードまたは権限パスワードを設定して、パスワード強度を確認し、「適用」をクリックします。 PDNobでPDFにパスワードを設定
  • 「名前を付けて保存」で保護されたファイルを保存します。

Tenorshare PDNobは特に、定期的にPDF作業を行う方や、より詳細なセキュリティ設定を求める方に適しています。

方法③:Microsoft Wordを使ったPDFパスワード設定

Microsoft Wordは多くの方が既に利用しているツールです。Word文書からPDFを作成する際に、同時にパスワード設定も行えるため、新しいソフトウェアを導入する必要がありません。

Microsoft Wordを使う利点:

  • 既存の環境で追加投資不要
  • 文書作成からパスワード設定まで一貫した作業
  • Office 365やOffice 2019で利用可能
  • 企業環境での使用にも最適

設定手順

Step1.Wordで文書を作成または既存文書を開きます。

Step2.「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択して、「PDF/XPS ドキュメントの作成」をクリックします。

Step3.ファイル名と保存場所を指定します。

Step4.「オプション」ボタンをクリックします。

Step5.「ドキュメントをパスワードで暗号化する」にチェック、希望するパスワードを入力し、確認のため再入力します。

Step6.「OK」をクリックし、「発行」でPDF作成完了です。

この方法は、文書作成段階からセキュリティを意識したい方に特におすすめです。

方法④:Macプレビューアプリでのパスワード設定手順

Macユーザーであれば、標準搭載のプレビューアプリを使ってPDFにパスワードを設定できます。追加のソフトウェア購入が不要で、macOSの一部として安定した動作が期待できます。

Macプレビューの特徴:

  • Mac標準アプリのため追加コスト不要
  • macOSとの完全な統合
  • シンプルで直感的な操作
  • 軽快な動作速度

設定手順

Step1.プレビューアプリでPDFファイルを開きます。

Step2.メニューバーの「ファイル」から「書き出す」を選択して、フォーマットが「PDF」に設定されていることを確認します。

MacプレビューでPDFを開く

Step3.「暗号化」のチェックボックスにチェックを入れて、パスワード入力ダイアログでパスワードを設定し、確認のため再度同じパスワードを入力します。

MacプレビューでPDFにパスワードを設定

Step4.「保存」をクリックして保護されたPDFを作成できます。

Mac環境で作業することが多い方には、最も手軽で確実な方法と言えるでしょう。

方法⑤:ZIP圧縮ソフトを利用したパスワード保護

ZIP圧縮という間接的な方法でPDFファイルを保護することも可能です。7-ZipやWinRARなどの圧縮ソフトを使い、PDFファイルをパスワード付きZIPファイルに圧縮します。

ZIP圧縮による保護の特徴:

  • PDFファイル以外も同時に保護可能
  • ファイルサイズの削減効果
  • 広く普及した形式で互換性が高い
  • 複数ファイルの一括保護が可能

設定手順(7-Zipの場合)

Step1.7-Zipをダウンロード・インストールします。
Step2.保護したいPDFファイルを右クリックして、コンテキストメニューから「7-Zip」→「圧縮」を選択します。
Step3.圧縮設定画面で書庫形式を「zip」に設定、「暗号化」セクションでパスワードを入力して、暗号化方式を「AES-256」に設定(推奨)します。

ZIP圧縮ソフトを利用したパスワード保護

Step4.「OK」をクリックして圧縮実行して完了です。

この方法は、複数のファイルを同時に保護したい場合や、ファイルサイズを小さくしたい場合に特に有効です。

方法⑥:iPhone・Androidスマホでのパスワード設定方法

モバイルデバイスでの作業が増える中、スマートフォンでもPDFファイルにパスワードを設定できることは重要です。専用アプリを活用することで、外出先でも確実な文書保護が可能になります。

iPhoneでの設定方法

Step1.App StoreからPDF編集アプリ(Adobe Acrobat Readerなど)をダウンロードします。
Step2.アプリを起動し、パスワードを設定したいPDFファイルを開きます。
Step3.画面下部の共有ボタンまたはメニューボタンをタップします。
Step4.「保護」または「セキュリティ」オプションを選択します。
Step5.パスワードを入力し、設定を確認します。
Step6.保護されたファイルを保存または共有できます。

Androidでの設定方法

Step1.Google PlayストアからPDF編集アプリをインストールします。
Step2.アプリでPDFファイルを開きます。
Step3.メニューから「セキュリティ」または「保護」を選択します。
Step4.パスワードを設定し、暗号化オプションを確認します。
Step5.変更を保存してファイルを保護します。

スマートフォンでの作業は、緊急時の文書保護や外出先での作業に特に重宝します。

方法⑦:無料オンラインツールの比較と選び方

インターネット上には多数の無料PDFパスワード設定ツールが存在します。それぞれに特徴があるため、用途に応じて適切なツールを選択することが重要です。

ツール名 主な特徴 メリット
iLovePDF 直感的な操作と高速処理 使いやすさと処理速度に優れる
SmallPDF シンプルなインターフェース 安全性を重視した設計
PDF24 豊富な機能と日本語対応 多機能で日本のユーザーに親和性が高い
Sejda 詳細なセキュリティオプション 高度な設定が可能

選択時の重要なポイント:

  • ファイルの自動削除機能の有無
  • 対応ファイルサイズの上限
  • 暗号化レベルの詳細
  • プライバシーポリシーの内容
  • 使用頻度制限の有無

オンラインツールを選ぶ際は、セキュリティ面での信頼性を最優先に検討することをお勧めします。

Part3. 【有料】高度なPDFパスワード設定ができる専門ソフト

無料ツールでは物足りない、より高度なセキュリティ機能を求める場合は、有料の専門ソフトウェアの導入を検討しましょう。ここでは代表的な有料ソフトウェアの特徴をご紹介します。

1. Adobe Acrobat Pro DC

PDFの業界標準とも言えるAdobe Acrobat Pro DCは、最も包括的なPDFセキュリティ機能を提供します。企業レベルでの使用にも耐える高度な機能が特徴です。

主な特徴:

  • 256-bit AES暗号化による最高レベルのセキュリティ
  • 詳細な権限設定(印刷、編集、コピー等の個別制御)
  • デジタル証明書による高度な認証
  • 大容量ファイルの高速処理
  • 一括処理機能による効率的な作業

適用場面:

  • 企業の機密文書管理
  • 法的文書の厳格な保護
  • 大量のPDFファイルの一括処理
  • 高度なセキュリティが要求される業務

2. Foxitなどのサードパーティ製品

Adobe以外にも、優れたPDFセキュリティソフトウェアが多数存在します。コストパフォーマンスに優れ、特定の機能に特化した製品もあります。

製品名 特徴 適用対象
Foxit PhantomPDF 軽快な動作と豊富な機能 中小企業・個人事業主
Nitro Pro ビジネス向けの包括的機能 企業のドキュメント管理
PDFelementPro 直感的操作と高機能の両立 幅広いユーザー層
Kofax Power PDF 企業向けの統合ソリューション 大企業・官公庁

これらの製品は、Adobe Acrobat Pro DCよりもコストを抑えながら、十分な機能を提供することが多く、中小企業や個人事業主に人気があります。

3. 法人向けPDFセキュリティソリューション

大企業や官公庁では、より包括的なドキュメント管理システムの一部として、PDFセキュリティ機能を導入することがあります。

特徴:

  • 統合的なドキュメント管理
  • アクセスログの詳細記録
  • 組織全体でのポリシー統制
  • 高度な監査機能
  • エンタープライズレベルのサポート

これらのソリューションは、組織全体のセキュリティポリシーと連携し、包括的な文書保護を実現します。

Part4. PDFパスワード設定に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 無料ツールと有料ソフトのセキュリティレベルの違いは?

A: 無料ツールは簡易的なパスワード保護が中心で、暗号化強度が低めのことが多いです。有料ソフトではより強固な暗号化方式や細かいアクセス制御が可能です。

Q2. PDFにパスワードが設定できない場合はどうすればいい?

A: 以下のような対処法があります:

  • ファイルが破損していないか確認する
  • PDFの作成元が編集を制限していないか確認する(プロパティで確認)
  • 他のパスワード設定ツールに切り替えて試す(例:Tenorshare PDNob、Smallpdfなど)
  • 一度PDFを画像に変換し、再度PDFに変換して設定し直す
  • どうしてもできない場合は、有料ソフトを使用してみると改善する場合がある

関連記事: PDFにパスワード設定できない?原因と対処法&無料で設定する方法を徹底解説

Q3. PDFにかけたパスワードを忘れた場合の対処法は?

A: PassFab for PDFなどの正規の解除ソフトや、作成元のツールに備わっているリセット機能を使う必要があります。ただし、パスワード解除は使用目的により違法となる可能性もあるため注意が必要です。

Q4. 複数のPDFに一括でパスワードを設定できる?

A: 一部の有料ソフト(Tenorshare PDNobAdobe Acrobat Pro)では、一括操作が可能です。特に業務で大量のファイルを扱う場合に有効です。

まとめ

PDFにパスワードを設定することで、個人情報や重要書類を安全に守ることができます。無料ツールでも手軽に設定は可能ですが、より強固なセキュリティを求めるなら有料ソフトの導入も検討すべきです。

中でもTenorshare PDNobは、無料で利用できる範囲が広く、初心者でも簡単にパスワードを設定できるおすすめツールです。目的や用途に応じて最適な方法を選び、あなたのPDFセキュリティを今すぐ強化しましょう。

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