PDF資料を作成した後、「カラー印刷よりも白黒にした方が便利だな」と感じることはありませんか？特に大量印刷や業務文書の整理では、PDFを白黒に変換するだけで印刷コストを抑えられるほか、ファイルサイズの軽量化も期待できます。

本記事では、PDFを白黒に変換する理由や具体的な方法、注意点までを詳しく解説します。Windows・Macの標準機能、専用ソフト、オンラインツールなど、いろいろな方法がそろっているので、自分に合った手段を選ぶ参考にしてください。

Part1. PDFを白黒に変換する理由

PDFを白黒に変換するメリットは主に4つあります。ここでは、それぞれの内容を順番に詳しくご紹介します。

ファイルサイズの削減

PDFファイルはカラー情報を多く含むと、その分容量が大きくなります。グレースケールや白黒に変換することで、ファイルサイズが軽くなり、メール添付やクラウド保存が容易になります。

印刷コストの節約

白黒PDFはカラー印刷に比べてインクやトナーの消費を抑えられます。特に大量印刷を行う場合、PDFを白黒に変換しておくことで、印刷コストを大幅に削減することが可能です。

印刷時間の短縮・業務効率化

カラー印刷に比べ、白黒印刷は処理速度が速く、プリンタの負荷も少なくなります。そのため、大量印刷や緊急の印刷作業でも納期短縮が可能です。業務の効率化を図りたい場合や、会議資料を急いで印刷したいときには、PDFを白黒にするだけで作業時間を大幅に節約できます。

文書の視認性・統一感の向上

彩色PDFでは、色の違いによって情報が散漫になりがちです。白黒に変換することで、文字や図表のコントラストがはっきりし、読みやすさや文書全体の統一感が向上します。これにより、ビジネス資料や配布資料としても適した形式になります。

Part2. PDFを白黒に変換する方法

PDFを白黒に変換する方法は、大きく分けて3つあります。ここではそれぞれの手段を詳しく紹介します。

2-1 パソコン標準機能でPDFを白黒に変換（Windows・Mac）

まずは、追加ソフトをインストールせずにできる方法です。手軽に操作できるため、短時間での変換や簡易的な利用に向いています。

Windows OS 標準機能を使う（Edge＋Microsoft Print to PDF）

Windows 10以降では、標準搭載のブラウザEdgeと「Microsoft Print to PDF」を利用して、PDFを簡単に白黒に変換できます。手順は以下の通りです。

1. EdgeでPDFファイルを開く
2. 画面右上の「印刷」アイコンをクリックします。

3. プリンターに「Microsoft Print to PDF」を指定し、「カラー」を「白黒」に設定します。

4. 最後に「印刷」をクリックして保存先を選んでPDFを出力します。

この方法では、元のレイアウトをほぼ維持しながら白黒化できます。特別なソフトが不要なので、急ぎの場面でも役立ちます。

Macの「プレビュー」で変換

Macでは標準アプリ「プレビュー」を使ってPDFを白黒に変換可能です。

1. 「プレビュー」でPDFファイルを開く
2. 「ファイル」メニューから「書き出す」を選択
3. 「書き出し名」に新しいファイル名を入力。
4. 「Quartzフィルタ」で「グレイトーン」を選び、「保存」をクリック。

Macユーザーにとっても簡単に白黒PDFを作成できる方法です。

2-2 専用PDF編集ソフトでPDFを白黒に変換

パソコン標準機能でもPDFを白黒に変換できますが、複数ページのPDFを一括で処理したい場合や、元のレイアウトやデザインを崩さずに変換したい場合には、専用のPDF変換ツールが便利です。また、色味の微調整や特定のページのみ白黒にしたい場合なども、専用ソフトを使うことで柔軟に対応可能です。

専用ソフトを使えば、Windows・Mac問わず安定して作業できるため、ビジネス資料や印刷用データなど、精度や効率を重視する場合に特におすすめです。

続いて、白黒PDF変換に使えるPDF専用ソフトを紹介します。

Tenorshare PDNob

Tenorshare PDNobは、PDFファイルの編集・変換・管理ができる多機能ソフトです。Windows・Macに対応しており、文字・画像の抽出やページ編集、PDFからWordやExcelへの変換など、さまざまな作業を効率的に行うことができます。

Tenorshare PDNobでPDFを白黒に変換手順:

• Tenorshare PDNobの公式サイトにアクセスし、PDNobをダウウンロードしてインストールします。

  
  

• ソフトを起動し、左上部の「PDFを開く」をクリックして白黒に変換したいPDFを開きます。

  

• 「ファイル」をクリックし、「印刷」を選択するか、ショートカットキー「Ctrl + P」を押して、PDFを白黒に変換する印刷設定画面を開きます。

• 次に表示される黒白変換の設定画面で、「グレースケール印刷」にチェックを入れます。必要に応じて印刷モードも設定できます。設定内容を確認したら「印刷」ボタンをクリックし、PDFとして保存します。

  

• 保存後、変換されたPDFを再度開き、PDFを白黒に変換された効果を確認します。必要に応じて、PDFの編集や注釈などの機能を活用して、資料の仕上げを行いましょう。

  

このソフトは操作が直感的で、初心者でも迷わず使えるのが魅力です。

Acrobat Pro

Acrobat Proは高精度な白黒（グレースケール）変換が可能な定番ツールです。

「印刷工程」機能を使えば、ページ全体の色設定を細かく調整でき、レイアウトや画質を保ったまま効率的に白黒化できます。

手順:

1. Adobe Acrobatを起動し、白黒に変換したいPDFファイルを開きます。
2. ツールバーから「ツール」→「印刷工程」の「色を置換」を選択します。
3. 「色を置換」ダイアログボックスを開き、「出力インテント」→「カラーを出力インテントに変換」 にチェックを入れます。
4. 変換のオプションを設定します。「変換のオプション」で 「黒を維持」 にチェックを入れます。
5. OKボタンをクリックし、変換を実行して保存します。

2-3 オンラインツールを使ってPDFを白黒に変換

インストール不要で、ブラウザ上で操作できるオンラインツールも便利です。小規模な変換や緊急時に活躍します。

AvePDF

AvePDFはシンプルな操作でPDFを白黒に変換できます。

手順:

1. AvePDFの公式サイトにアクセスします。
2. 「ファイルを選ぶ」をクリックして白黒に変換したいPDFをアップロードします。
3. 「PDF をグレースケールに変換」画面に進んで、「グレースケール変換」ボタンをクリックします。
4. 数秒後変換が終わります。変換後のファイルをダウンロードして完了します。

DeftPDF

DeftPDFも、手軽にPDFを白黒化できるオンラインツールです。

手順:

1. DeftPDFの公式サイトにアクセスします。
2. 「PDF をグレースケールに変換」機能を選択し、「SELECT PDF FILES」をクリックして白黒に変換したいPDFをアップロードします。
3. 「PDF をグレースケールに変換」画面に進んで、「変換」ボタンをクリックします。
4. 数秒後変換が終わります。変換後のファイルをダウンロードして完了します。

なお、このツールでは特定のページのみを白黒化することはできず、PDF全体が変換対象となります。

Part3. PDFを白黒に変換する際の注意点と変換後の確認方法

PDFを白黒に変換する際は、以下のポイントを押さえておくと安全かつ確実です。

• 変換前に必ずバックアップを作成
  上書き保存で元データが失われるのを防ぐため、変換前にオリジナルのPDFを別名で保存しておきましょう。
• 見た目が白黒でもカラー情報が残るケースに注意
  一見モノクロに見えても、内部にカラー情報が残っている場合があります。印刷プレビューやPDFプロパティで、カラー情報が削除されているか確認すると安心です。
• オンラインツール利用時はプライバシーとセキュリティを確認
  機密文書や個人情報を含むPDFをアップロードする際は、サービスのセキュリティポリシーを事前に確認しましょう。可能であれば、ローカル環境で変換できるツールの利用がおすすめです。

まとめ

PDFを白黒に変換することで、印刷コストの削減や作業効率向上、ファイルサイズ軽量化などのメリットが得られます。方法としては、WindowsやMacの標準機能を使う手軽な方法から、Tenorshare PDNobやAcrobatなどの専用ソフト、さらにAvePDFやDeftPDFのようなオンラインツールまで多岐にわたります。

特に、変換精度や操作のしやすさを重視する場合は、Tenorshare PDNobの利用がおすすめです。本記事を参考に、自分の用途や環境に合わせて最適な方法でPDFを白黒に変換し、効率的な資料作成や印刷に活用してください。