近年、テレワークの普及や教育のデジタル化が進む中で、PDFの閲覧や編集が日常的に欠かせない作業となっています。特にiPadは、タブレットの中でも高い精度を誇り、Apple Pencilによる手書き入力にも対応しているため、PDF編集に最適なデバイスとして注目を集めています。

この記事では、そんなiPadでPDFを快適に編集するための、おすすめの無料アプリと有料アプリをいくつか紹介します。

Part1.iPadでPDFを編集するアプリの選び方

iPadでPDFを編集する際、アプリの選択が作業効率を大きく左右します。ここでは、アプリを選ぶ際に押さえておきたい5つのポイントを詳しく解説します。

1. 編集の"深さ"

PDF編集には「軽い注釈だけ」で十分な場合もあれば、「テキストの追加・削除」や「ページの並べ替え」「画像の挿入」など高度な編集が必要な場合もあります。

• 軽い編集：ハイライトやコメント追加
• 中程度の編集：テキスト修正、フォーム入力
• 高度な編集：ページの分割・結合、OCR対応、レイヤー編集

まずは「自分がどの程度の編集をしたいか」を明確にし、それに見合った機能を持つアプリを選びましょう。

2. 注釈・手書き・Apple Pencil対応

iPadの強みはApple Pencilによる直感的な手書き入力です。

• 手書きの滑らかさ（筆圧・傾き検知の精度）
• ペンの種類（ペン、鉛筆、マーカーなど）
• 消しゴムや選択ツールの使いやすさ

特にレポートや契約書に手書きでサインを入れる場合、Apple Pencilの対応度合いが重要です。

3. UI・操作性と日本語対応

直感的に使えるUIかどうかは、長時間の作業で大きな差になります。

• ツールバーの配置やジェスチャー操作
• 日本語フォントの表示・入力対応
• 右から左への書き込み（縦書きPDF）対応

日本語PDFを扱う場合、フォントの崩れや文字化けがないかも確認ポイントです。

4. クラウド／ファイル連携

PDFは複数のデバイスで共有されることが多いため、クラウド連携が欠かせません。

• iCloud、Google Drive、Dropbox、OneDriveとの連携
• ファイルアプリとのスムーズな読み書き
• リアルタイム共同編集機能

特にテレワークでは、編集したPDFを即座に共有できるかが生産性に直結します。

5. 価格／プラン構成

無料アプリでも基本機能は揃っていますが、有料アプリは広告なし・高度な機能が魅力です。

• 無料プラン：広告あり／機能制限あり
• 有料プラン：サブスクリプション（月額/年額） or 買い切り
• トライアル期間の有無

まずは無料で試して、必要に応じてアップグレードするという使い方がおすすめです。

Part2.【無料】おすすめのiPad PDF編集アプリ3選

iPadでPDFを無料で編集したいなら、以下の3アプリが特におすすめです。それぞれ特徴やメリット・注意点を解説します。

1.iPadの標準機能「マークアップ」

iPadに最初から搭載されている「ファイル」アプリや「写真」アプリ内のマークアップ機能。Apple Pencil対応で、PDFに直接手書きやテキストを追加可能。別途アプリをインストールする必要がありません。

使い方は以下の4ステップです。

• 準備
  PDFを「ファイル」アプリに保存
  PDFを開く → 右上の「マークアップ」アイコンをタップ

  

• ②注釈・手書きを追加

  • ペンツールで手書きサインやメモ
  • マーカーで重要箇所を塗りつぶし
  • テキストボックスでタイプ入力
  

• 色・太さをカスタマイズ

  • ツールバーの色ボタンで自由に色選択
  • 太さスライダーで線の太さを調整
  • 消しゴムでミスを即修正

• 保存
  右上の「完了」をタップ
  「ファイルに保存」 → 名前を付けて保存

2.Adobe Acrobat Reader

PDFの定番ソフト「Adobe Acrobat」の無料版です。閲覧・注釈・フォーム入力が主な機能。Apple Pencilでの手書きもスムーズにできます。

以下の手順でPDFを編集します。

• ハイライト/取り消し線
  テキストを選択 → ツールバーで「ハイライト」/「取り消し線」を選択。

  

• テキストコメント
  テキストツールを選択 → PDF上でクリック → コメントボタンクリック→コメント入力 → 投稿。

  

• 保存
  「ファイル」 > 「保存」またはCtrl+S（Windows）/Cmd+S（Mac）。注釈はPDFに埋め込まれます。

3.Xodo PDF Reader

多機能な無料PDFアプリです。リアルタイム共同編集が最大の売りで、DropboxやGoogle Driveとも連携しています。Apple Pencilでの手書きも高精度なことが特徴です。

PDFファイル編集の手順は以下です。

• PDFを開いた状態で、ツールバーの「編集する」アイコンをクリック。

  

• 既存テキストを選択して修正、または「テキスト追加」ツールで新しいテキストボックスを作成。

  

• フォント、サイズ、色を調整する。

  

• 保存: 「ファイル > 保存」またはCtrl+S（Windows）/Cmd+S（Mac）。

次はiPad 向け有料PDF編集アプリの紹介です。より高度な編集を求める方は、ぜひチェックしてみてください。

Part3.【有料】高機能なiPad PDF編集アプリ2選

無料アプリでは物足りない高度な編集を求めるなら、有料PDF編集アプリがおすすめです。プロ級の機能が揃った2アプリを紹介します。

1.PDF Expert

Readdle社開発のPDF編集の定番。テキストの直接編集・ページの自在な操作・OCR機能まで搭載。Apple Pencilの対応も抜群で、まるで紙のように扱えます。

価格
買い切り：7,800円（セール時6,000円前後）
またはサブスク：年額6,800円

PDF編集の手順は以下です。

• テキストの編集・追加
  PDFを開いた状態で、右上の「編集」アイコン（鉛筆マーク）をタップ。
  既存テキストをタップして選択 → キーボードで修正。アプリが自動で元のフォント、サイズ、色を検知してマッチング。
  新規テキスト追加: 「テキスト」ツールを選択 → ページ上でタップ → 入力。フォントや位置をドラッグで調整。
  保存: 自動保存。手動で「完了」をタップして終了。

• 注釈の追加（ハイライト、コメント、手書き）
  ツールバーから「注釈」タブを選択。
  ハイライト/取り消し線: テキストを選択 → 「ハイライト」または「下線」ツールをタップ。色や太さをカスタマイズ。
  手書き/描画: Apple Pencilで「ペン」ツールを選択 → 直接書き込み（筆圧・傾き検知対応）。消しゴムや選択ツールで修正。
  コメント: 「ノート」ツールで吹き出しを作成 → テキスト入力。
  図形/スタンプ: 「図形」ツールで矢印や四角を追加。スタンプ（チェックマークなど）で承認印を挿入。
  保存: 注釈はPDFに埋め込まれ、自動保存。

2.Goodnotes 6

元は手書きノートアプリの王者ですが、PDF編集機能が超強力に進化しました。無限キャンバスでPDFを自由に書き込め、AI手書き認識も搭載しています。

価格
無料版あり（機能制限）
フル機能解除：年額2,800円（または一括9,800円で永久利用可）

PDF編集手順は以下です。

• 注釈の追加（ハイライト、コメント、手書き）
  PDFを開き、ツールバー（下部）から「ペン」ツールを選択。
  手書き/描画: Apple Pencilで直接書き込み（筆圧・傾き検知で自然な線）。ペン種（ボールペン、鉛筆、マーカー）を切り替え、色・太さを調整。
  ハイライト/取り消し線: テキストを選択 → ツールバーで「ハイライト」または「下線」をタップ。ラッソツールで手書き部分を選択・移動/削除。
  コメント/テキスト追加: 「テキスト」ツールを選択 → ページ上でタップ → キーボード入力。フォント・サイズ・色をカスタマイズ。

• 図形・画像・スタンプの挿入
  ツールバーから「要素」または「図形」ツールを選択。
  図形追加: 矢印、四角、円を選択 → ドラッグで描画。
  画像挿入: 「画像」ツール → Photosやデバイスから選択 → リサイズ/位置調整。PDFに貼り付け。
  スタンプ/テンプレート: Marketplaceからステッカーや付箋をインポート → ドラッグで配置。無限キャンバスで拡大・縮小可能。

Part4.iPadアプリでは物足りない？本格編集ならデスクトップ向けPDFソフト「Tenorshare PDNob」がおすすめ

iPad向けのPDF編集アプリは軽快で便利ですが、大規模な文書編集や高度な変換作業には不向きな場面もあります。

たとえば次のような制限があります。

• 大容量ファイルを開くと動作が重くなる
• OCR（文字認識）機能が制限される
• 一括変換や複数ファイルの統合が難しい
• セキュリティ機能（暗号化・解除）に制約がある

そのような時、Tenorshare PDNobをおすすめします。

PDNobの特徴・基本機能としては以下があります。

• スキャン文書や画像を瞬時に編集可能なテキストへ自動変換するため手入力が不要
• Word感覚でテキスト・画像・透かし・リンク・背景を自由に操作できる
• ハイライト・コメント・図形・スタンプを使ってわかりやすく整理できる
• PDFをWord・Excel・PPT・画像・EPUBなどにまとめて変換できる

まとめ

iPadでPDF編集するなら無料アプリのマークアップやAdobe Reader、Xodoが便利ですが、大容量や高度な作業では動作の重さや機能制限に悩まされます。

そんな課題をTenorshare PDNobが一掃します。AI OCRでスキャン文書を瞬時に編集可能なテキストに変換し、手入力をゼロにします。

またWord感覚の直感的な操作でテキストや画像、透かし、リンク、背景を自由に操れます。