PDF/Aとは?規格の基本と確実に変換する方法をわかりやすく解説

デジタル文書を長期的に保存・管理する上で、重要なファイル形式として注目されているのが「PDF/A」です。官公庁や法務機関、教育現場など、多くの業種で採用されており、通常のPDFと異なる点も多くあります。

この記事では、PDF/Aとは何かという基本から、各バージョンや準拠レベルの違い、そして具体的なPDF/A 変換の方法まで、一つひとつ丁寧に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたのデジタル文書管理が一段階レベルアップしているはずです。

Part1. PDF/Aとは?PDF/Aのメリット

PDF/Aとは、電子文書の長期保存を目的として定義されたPDF規格です。ISO 19005シリーズとして標準化されており、将来的にも正確に文書を再現できることが最大の特徴です。

PDF/Aとは?

PDF/A形式の主なメリット:

  • 外部フォントを埋め込むことで表示のブレが起きにくい
  • 長期的に同一の内容を維持できる
  • デジタル文書の法的証拠力を高めることが可能

ビジネスにおいても、財務報告書や契約書の保存に最適な形式といえるでしょう。

Part2. PDF/Aの規格(バージョンと準拠レベル)とは?

PDF/Aには複数のバージョンと準拠レベルが存在します。それぞれの特徴を理解することで、用途に応じた適切な形式を選ぶことが可能です。

主な規格バージョンと特徴

バージョン 規格番号 特徴
PDF/A-1 ISO 19005-1 最も基本的な形式。透明効果やレイヤー使用不可。
PDF/A-2 ISO 19005-2 JPEG2000圧縮、レイヤーや透明効果などに対応。
PDF/A-3 ISO 19005-3 任意形式のファイル添付が可能。柔軟な文書構成に対応。
PDF/A-4 ISO 19005-4 最新規格。HTML5を参考にした構造で、より高い互換性を持つ。

準拠レベル「a」「b」「u」の違いと選び方

レベル 内容 主な用途例
b (basic) 文書の視覚的な正確さのみを保証 スキャン文書の保存など
a (accessible) 読み順や構造を保持しアクセシビリティ対応 読み上げ支援が必要な書類
u (unicode) テキストがUnicodeでマッピングされている テキスト検索や言語処理が必要な文書

実務では「PDF/A-2b」が汎用性が高く、「PDF/A-2a」はアクセシビリティ重視の場合に推奨されます。

【専門家からのアドバイス】

ビジネス文書や個人の記録といった一般的な用途であれば、最も扱いやすく汎用性の高い「PDF/A-2b」の利用がおすすめです。

一方で、公的機関への提出書類や、誰でも閲覧できるように公開する文書など、アクセシビリティが重要となるケースでは、「PDF/A-2a」や「PDF/A-4」の採用を検討するとよいでしょう。

Part3. 通常のPDFとPDF/Aの違い

PDF/Aがなぜ長期保存に適しているのか。その理由は、通常のPDFとの「違い」、つまり意図的に加えられた「制限」にあります。以下の表は、その違いを明確に示しています。

比較項目 通常のPDF PDF/A 制限の目的(なぜ違うのか)
フォント PCに依存(埋め込まない場合あり) 必ずファイル内に埋め込む どのPCでも同じ字体で表示するため。
動的コンテンツ JavaScript、音声、動画が利用可能 すべて禁止 将来、再生できなくなる技術的リスクを排除するため。
暗号化 パスワード設定が可能 原則として禁止 パスワードを忘れて誰も開けなくなる事態を防ぐため。
外部リンク インターネット上のページにリンク可能 原則として禁止 リンク先のWebページが消滅するリスクを避けるため。

このようにPDF/Aは、将来的な不確実性を招く要因を可能な限り排除し、「自己完結性」を重視する思想を根本に据えたファイル形式です。

Part4. PDFをPDF/A形式に変換する方法

PDFファイルをPDF/A形式に変換するには専用ツールが必要ですが、多くの高機能ソフトは操作が複雑だったり、コストが高い場合もあります。

そんな中、初心者でも簡単に扱え、かつ高精度で変換できるのが「Tenorshare PDNob」です。

Tenorshare PDNobでPDFファイルを圧縮

このPDF専用ソフトは直感的な操作画面で迷うことなく使え、確実にPDF/A形式への変換を実現します。

Tenorshare PDNobが選ばれる理由:

  • 初心者にも分かりやすいUIで操作が直感的
  • 変換精度が非常に高く、視覚エラーや書式の崩れを防止
  • PDF/A準拠の自動チェック機能を搭載し、書類の信頼性を担保
  • 複数ファイルの一括変換にも対応

大切な文書だからこそ、信頼できる変換ツールの使用が重要です。Tenorshare PDNobは、その信頼性と使いやすさで、安心して選べる一つの答えと言えるでしょう。

Tenorshare PDNobでのPDF/A変換手順

  • Tenorshare PDNobを起動
    事前に下記のボタンをクリックしてソフトをダウンロード・インストールしておきます。そのあと、Tenorshare PDNobを起動して、ホーム画面から「PDFを開く」ボタンをクリックし、PDFファイルをドラッグ&ドロップまたはフォルダから選択します。

    変換したいPDFファイルを開く
  • 「PDF変換」機能を選択
    トップメニューから「変換」→「PDF/Aに変換」タブをクリックします。

    PDF/A変換機能を選択
  • 保存先を設定し、「変換」をクリック
    保存先を指定して「変換」ボタンを押すと、自動的にPDF/A準拠のファイルが生成されます。

    PDFをPDF/Aに変換完了

Part5. PDF/Aに関するよくある質問(FAQ)

Q1. PDF/Aに変換すると、ファイルサイズは大きくなりますか?

A. はい、多くの場合、元のPDFよりもファイルサイズは大きくなります。これは、PC環境に依存しないよう、ファイル内にフォント情報などをすべて埋め込むためです。信頼性を確保するためのトレードオフとお考えください。

Q2. 作成したPDFがPDF/Aに準拠しているか確認する方法は?

A. Adobe Acrobat Readerでそのファイルを開いてみてください。ファイルがPDF/A規格に準拠している場合、画面の上部に「このファイルは PDF/A 標準に準拠しており、読み取り専用で開かれています」という青色の通知バーが表示されます。これが準拠している最も分かりやすい証拠です。

Q3. PDF/Aは編集できますか?

A. いいえ、PDF/Aは「保存」のための形式であり、その信頼性を担保するために「編集」は原則としてできません。

一度PDF/Aに変換したファイルは、いわば「凍結」された状態になります。もし内容を修正したい場合は、変換元のオリジナルファイルを編集し、その上で再度PDF/Aへ変換するというのが正しいワークフローです。

まとめ

PDF/Aは、信頼性の高い文書保存形式として、多くの業界で注目されています。各バージョンや準拠レベルの理解はもちろん、確実な変換方法を知ることで、より安全にデータを管理できます。

Tenorshare PDNobは、PDF/A変換において特におすすめのソフトです。変換エラーに悩まされている方や、大量の文書を一括で処理したい方は、ぜひ一度試してみてください。長期保存にふさわしいPDF/A文書を、確実に、そして簡単に作成できます。

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